1.はじめに

令和6年度補正予算が発表され、令和7年(2025年)に向けた中小企業等向け補助金制度の詳細が明らかになりました。中小企業庁が発表したこれらの補助金は、経営環境の変化に対応しながら事業を成長させるための強力な支援制度です。本記事では、新たに創設された「新事業進出補助金」と「中小企業成長加速化補助金」、そして継続される「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」「事業承継・M&A補助金」「省力化投資補助金」について、それぞれの概要、対象者、補助内容、申請のポイントを解説します。
ちなみに、本記事は令和6年12月時点の情報を基に記載しています。ご覧いただくタイミングによっては修正や変更がある場合がありますので、新しい情報はご自身でキャッチアップするようにお願いします。中小企業に関する令和6年度補正予算・令和7年度当初予算関連の情報はこちらを参考にしています。

中小企業庁から発表された令和6年の補正予算です。中小企業・小規模事業者向けのの経済対策として、令和7年に実施される補助金等の支援メニューです。

2.補助金の詳細解説

2-1. 中小企業新事業進出補助金(新設)

●概要
中小企業新事業進出補助金は、新たな事業分野に進出する中小企業等を支援するために新設されることになりました。既存事業と異なる事業への前向きな挑戦で、中⼩企業等が企業規模の拡⼤・付加価値向上を通じ⽣産性向上を図り、賃上げにつなげていくことが目的です。既存事業とは異なる新市場・⾼付加価値事業への進出にかかる設備投資を補助してもらえます。

●対象者
・成長・拡大に向けて新規事業に挑戦する中小企業等
・自社にとっての新製品や新サービスを新規顧客に提供する中小企業等

●基本要件
・付加価値額の年平均成⻑率+4.0%以上増加
・1⼈あたり給与⽀給総額の年平均成⻑率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成⻑率以上、⼜は、給与⽀給総額の年平均成⻑率+2.5%以上増加
• 事業所内最低賃⾦が地域別最低賃⾦+30円以上⽔準
次世代育成⽀援対策推進法に基づく⼀般事業主⾏動計画を公表等
→事業再構築補助金では加点要素でしたが、今回の補助金では基本要件になっています。100人以下の企業は努力義務であることから策定していない中小企業は多いと思いますので、早めに準備しておくことをおすすめします。

●補助上限
従業員数20⼈以下:2,500万円(3,000万円)
従業員数21〜50⼈:4,000万円(5,000万円)
従業員数51〜100⼈:5,500万円(7,000万円)
従業員数101⼈以上:7,000万円(9,000万円)
※補助下限750万円
※⼤幅賃上げを行う場合(事業終了時点で①事業場内最低賃⾦+50円、②給与⽀給総額+6%を達成)の場合、補助上限額を上乗せ。(上記カッコ内の⾦額は大幅賃上げ後の上限額)
→補助額の底上げは魅力的ですが、賃上げは固定費になりますので必ず試算したうえで慎重な判断をしてください。

●補助率:1/2

●事業実施期間
交付決定⽇から14か⽉以内(ただし採択発表⽇から16か⽉以内)
→長いように感じますが、建物の部材が足りなく工事の進捗が遅れたり、機械そのものが入荷しない等のトラブルがつきものです。早めに動きだして計画的に行動しましょう。

●利用可能な経費
建物費、構築物費、機械装置・システム構築費、技術導⼊費、専⾨家経費、運搬費、クラウドサービス利⽤費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費
→ある程度は長期間の計画になると思います。タイミングによっては対象経費が値上げする可能性があるため見積書を依頼するときは注意が必要です。

●活用イメージ
・機械加工業でのノウハウを活かして、新たに半導体製造装置部品の製造に挑戦
・医療機器製造の技術を活かして蒸留所を建設し、ウイスキー製造業に進出

●収益納付のルール撤廃
これまで、補助事業により一定以上の収益が上がると補助金を返金する必要がありました。中小企業新事業進出補助金ではそのルールが撤廃されることになり、十分な収益を生み出して欲しいという国の前向きな判断かと思います。

●第1回公募のスケジュール見込み
2025年4月に公募開始、5月締切の見込み?

●申請のポイント
中小企業新事業進出補助金は、1,500億円の予算で公募4回、採択数は6,000社になる見込みです。事業再構築補助金の後継のため、新事業進出の具体的な計画が求められます。ちなみに「⾼付加価値事業」は事業再構築補助金になかった特徴的な表記です。
またこれまで補助対象外だった、構築物費が含まれたのは大きいと思います。事業再構築補助金では建物費なのか構築物費なのか迷う案件で、支援先様から事務局に聞いていただいても明確な回答が返ってこないケースが多かったからです。いずれにしましても新事業に進出する際は、市場調査や競合分析のデータを基にした説得力のある事業計画書を準備しましょう。

2-2. 中小企業成長加速化補助金(新設)

●概要
中小企業成長加速化補助金は、売上高100 億円超の中小企業を恒常的に生み出すため、売上高100 億円を目指す中小企業への設備投資支援や、中小機構による多様な経営課題(M&A・海外展開・人材育成等)を支援するために創設されることになりました。飛躍的な成長を目指す中小企業の大胆な投資に関して補助してもらえます。

●対象者
・売上高100億円を目指す成長志向型の中小企業
・飛躍的な成長を目指すために大胆な設備投資を行う中小企業

●基本要件
・投資額1億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)
・「売上高100億円を目指す宣言」を行っていること
・その他、賃上げ要件など

●補助上限・補助率
補助上限額:5億円、補助率:1/2

●事業実施期間
交付決定⽇から24か⽉以内
→大型投資になるので、事業実施期間を過ぎてしまわないように計画的に実施してください。

●利用可能な経費
建物費、機械装置等費、ソフトウェア費、外注費、設備費、専門家経費

●活用イメージ
・工場、物流拠点などの新設・増築
・イノベーション創出に向けた設備の導入
・自動化による革新的な生産性向上

●売上高100億円を目指す宣言
中小企業が、「売上高100億円を超える企業になること」、「それに向けたビジョンや取組」を自ら宣言し、ポータルサイト(令和7年春頃開設予定)上に公表をするものです。宣言をすると、本補助金の申請権利を得られる他、宣言企業限定のネットワークへの参加、宣言マークの活用による自社PRが可能になります。

≪宣言の内容≫ ※詳細検討中
①企業の現状(足下の売上高、賃上げ等企業目標、課題等)
②売上高100億円の実現のための目標(売上高成長目標、期間、プロセス等)
③売上高100億円の実現に向けた具体的措置(生産増強、海外展開、M&A等)
④実施体制
⑤経営者のコミットメント(経営者自らのメッセージ) 等

●第1回公募のスケジュール見込み
2025年3月に公募要領の公開、6月締切の見込み?

●申請のポイント
中小企業成長加速化補助金は1,400億円の予算で公募3回、採択数は600社になる見込みです。売上高100億円を目指す宣言をする際に、自社の現状分析、100億円実現のための目標やアクションプラン、具体的な経営戦略、実施体制、経営者の意思表示が求められます。そのため、目標の達成に向けて計画書では具体的なKGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)を設定し、補助金活用後のビジョンを示すことが重要です。激戦になることが予想されますので、綿密でロジカルな計画書の策定が求められます。

2-3.ものづくり補助金

●概要
ものづくり補助金は、正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と呼ばれ、製造業以外に商業やサービス業も対象になります。中小企業生産性革命推進事業(予算3,400億円)から実施されるものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等の生産性向上や持続的な賃上げに向けた革新的な製品やサービスの開発、試作品の製作、生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援する従来からの制度です。

●対象者
・革新的な製品やサービス、生産プロセスの改善に取り組む中企業等

●基本要件
・付加価値額の年平均成⻑率+3.0%以上増加
・1⼈あたり給与⽀給総額の年平均成⻑率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成⻑率以上、⼜は、給与⽀給総額の年平均成⻑率+2.0%以上増加
• 事業所内最低賃⾦が地域別最低賃⾦+30円以上⽔準
• 次世代育成⽀援対策推進法に基づく⼀般事業主⾏動計画を公表等(従業員21名以上の場合のみ)

●補助上限・補助率
①製品・サービス高付加価値化枠
革新的な新製品・新サービスの開発による高付加価値化
従業員数5⼈以下:750万円
従業員数6〜20⼈:1,000万円
従業員数21〜50⼈:1,250万円
従業員数51⼈以上:2,500万円
補助額:750~2,500万円、補助率:中小企業1/2、小規模・再生2/3
②グローバル枠
海外事業の実施による国内の生産性向上
補助額:3,000万円、補助率:中小企業1/2、小規模2/3
※⼤幅賃上げを行う場合(事業終了時点で①事業場内最低賃⾦+50円、②給与⽀給総額+6%を達成)の場合、補助上限額を100~1,000万円上乗せ。
※最低賃金の引上げを行う場合、補助率2/3になります。

●事業実施期間
交付決定⽇から10~12か⽉以内

●利用可能な経費
機械装置等・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
※グローバル枠のみ:海外旅費、通訳、翻訳費、広告宣伝・販売促進費

●活用イメージ
・最新複合加工機を導入し、新たに精密加工が可能になり高付加価値の製品を開発
・新たな製造機械を導入し、新製品開発を行うとともに海外展示会に出展

●収益納付のルール撤廃
これまで、補助事業により一定以上の収益が上がると補助金を返金する必要がありました。ものづくり補助金ではそのルールが撤廃されることになり、十分な収益を生み出して欲しいという国の前向きな判断かと思います。

●申請のポイント
ものづくり補助金は、申請する際に10ページ以内の事業計画書を作成し提出することが求められます。何を達成したいのか、競合他社や市場ニーズ分析、自社の強みを活かした事業なのか、具体的なスケジュールや実施方法等を詳細に記載する必要があります。
審査は「技術面」「事業化面」「政策面」の3つの基準で行われます。これらの基準を理解し、申請書に反映させることが重要です。特に、事業の実現可能性や市場ニーズに対する適合性が重視されます。これらのポイントを押さえ、ものづくり補助金の申請をスムーズに進めましょう。

2-4.小規模事業者持続化補助金

●概要
小規模事業者持続化補助金は、中小企業生産性革命推進事業(予算3,400億円)から実施され、商工会・商工会議所等と一体となって経営計画を作成し、当該計画に基づいて行う販路開拓等の取組を支援する従来からの制度です。政策の原点回帰を行い、経営計画の策定を重視し、複数ある特別枠を整理。卒業枠・後継者支援枠が廃止されて、共同・協業型やビジネスコミュニティ型が創設されていますが、一般型や創業型での申請が多くなると予想されます。

●対象者
・経営計画を作成し販路開拓等に取り組む小規模事業者
<小規模事業者の定義>
※ 従業員数が「商業・サービス業(宿泊業、娯楽業を除く)」の場合5人以下、製造業またはそれ以外の業種の場合20人以下である事業者

●補助上限・補助率
①一般型(通常枠)
補助上限額:50万円、補助率2/3
②一般型(インボイス特例)
補助上限額:50万円上乗せ、補助率2/3
③一般型(賃金引上げ特例)
補助上限額:150万円上乗せ、補助率2/3
※賃金引上げ特例を選択した事業者のうち、赤字事業者は3/4
④一般型(災害支援枠)
直接被害
補助上限額:200万円、補助率:定額
間接被害
補助上限額:200万円、補助率:2/3
⑤創業型
補助上限額:200万円、補助率:2/3
※「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者
⑥共同・協業型
補助上限額:5,000万円、補助率:定額(地域振興等機関)2/3(参画事業者)
※地域に根付いた企業の販路開拓を支援する機関が地域振興等機関となり、参画事業者である10以上の小規模事業者の販路開拓を支援
⑦ビジネスコミュニティ型
補助上限額:50万円、補助率:定額
※商工会・商工会議所の内部組織等(青年部、女性部等)
※2以上の補助対象者が共同で実施する場合は100万円

●事業実施期間
交付決定⽇から7か⽉以内

●利用可能な経費 ※一般型と創業型(それ以外は割愛)
機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、開発費、資料購入費、借料、設備処分費、委託・外注費(税理士等への相談・コンサルティング費用など)

●活用イメージ
・パッケージデザインやリーフレットを作成しフリーズドライ製品の販路開拓
・厨房機器の導入と店舗リニューアルで新規顧客獲得による売上拡大

●申請のポイント
小規模事業者持続化補助金は、今回から一般型でも賃金の引上げを行うことを条件に補助上限額が200万円(更にインボイス特例50万円が上乗せになると250万円)に設定されます。また申請枠の簡素化が図られ、一般型(災害支援枠)、共同・協業型、ビジネスコミュニティ型は特殊なケースであることから、一般型(通常枠)もしくは創業型で申請する事業者が多くなると思われます。
事業目的に「経営計画を自ら策定し」と、あらためて強調されており、審査面において計画書の策定がより重視されるようになります。公募期間が短くなることも想定されるため、事前に事業内容を整理していただくことをおすすめします。ホームぺージ作成に利用できるウェブサイト関連費は今回も申請額の1/4になると思われ、それだけでは申請できないので注意が必要です。

2-5.IT導入補助金

●概要
IT導入補助金は、中小企業生産性革命推進事業(予算3,400億円)から実施され、中小企業の生産性向上を目的に、ITツールの導入を支援する従来からの補助金です。業務効率化やDXの推進、セキュリティ対策に向けたITツール等の導入費用を補助してもらえます。支援事業者と一緒に申請することから、心理的なハードルは低く採択率も高いため取り組みやすい補助金のひとつです。

●対象者
・IT化を通じて業務効率を向上させたい中小企業等

●補助上限・補助率
①通常枠
・ITツールの業務プロセス1~3つまで
補助上限額:5~150万円、補助率:1/2
・ITツールの業務プロセス4つ以上
補助上限額:150~450万円、補助率:1/2
※最低賃金近傍の事業者は2/3
②複数社連携IT導入枠(※申請は少ないと思われるため割愛)
③インボイス枠

・ITツール1機能
補助上限額:~50万円、補助率:3/4(※小規模事業者:4/5)
・ITツール2機能以上
補助上限額:~350万円、補助率:~50万円3/4、5 0~350万円2/3)
※PC・タブレット等:~10万円
※レジ・券売機:~20万円
④セキュリティ対策推進枠(※申請は少ないと思われるため割愛)

●事業実施期間
短くなる傾向があるため注意が必要
※詳細は公募要領にてご確認ください

●利用可能な経費 ※通常枠とインボイス枠(それ以外は割愛)
本補助金サイトに登録されたITツールのみが補助対象になります。
①通常枠
ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分補助)・導入関連費等
生産性の向上に資するITツール (ソフトウェア、サービス) の導入費用を支援します。
クラウド利用料を最大2年分補助し、 保守運用等の導入関連費用も支援します。
③インボイス枠
会計・受発注・決済・ECのソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分補助)・導入関連費およびハードウェア購入費用
令和5年10月1日に開始されたインボイス制度への対応に特化した支援枠で、 会計・受 発注・決済ソフトに加え、 PC・タブレット レジ・券売機等のハードウェア導入費用も支援 します。
小規模事業者は最大4/5補助し、 補助下限は無く、 安価なITツール導入も支援します。

●活用イメージ
①通常枠
タイムカードによる勤怠管理のため、オフィスに出社してからの現場移動、帰社してからの退勤が必要だったところ「勤怠・労務管理ツール」の導入により出先からの打刻が可能になりました。これにより残業時間が3割削減、人事担当の作業効率も大幅アップしました。
③インボイス枠
インボイス発行の作業効率化をするため「会計ソフト」を導入。経理担当が手作業で行っていた出納管理が自動化され、バックオフィスの効率が全体的に向上しました。

●申請のポイント
IT導入補助金は、IT導入支援事業者と綿密な打ち合わせを実施し、事前に書類を整えておく必要があります。ITツールを導入後に元に戻すことは困難です。そのため申請を行う前に、導入したいITツールやサービスの明確なビジョンを持つことが重要です。申請期間は限られているため、早めに準備を進め、申請のタイミングを逃さないようにしましょう。
また過去にキャッシュバック等で適切ではない交付があったと、大きな問題となっています。そのため今後は審査が厳格化されることは間違いなく、採択率は下がることが想定されます。申請する場合は、公募が開始される前に必須である「gBizIDプライム」アカウントの取得、SECURITY ACTIONの「一つ星」または「二つ星」の宣言、「みらデジ経営チェック」を進めておきましょう。

2-6.事業承継・M&A補助金

●概要
事業承継・M&A補助金は、中小企業生産性革命推進事業(予算3,400億円)から実施され、事業承継やM&Aを通じて事業の継続と発展を図る中小企業を支援する従来からの制度です。
但しこれまでの事業承継・引継ぎ補助金からの名称変更に伴い、変更点は多くあります。事業承継に際しての設備投資だけではなく、M&A・PMIの専門家活用費用等を支援してもらえます。公募要領を待たないと詳細はわかりませんが、親族内承継、従業員承継、M&Aすべてに活用できる可能性があり、補助額の上限が600万円から800万円に拡充されます。

●対象者
・事業承継を契機として新たな取り組み等を行う中小企業等
・事業再編や事業統合に伴う経営資源の引継ぎを行う中小企業等

●補助上限・補助率
①事業承継促進枠
5年以内に親族内承継又は従業員承継を予定している者
補助上限額:800~1,000万円、補助率:1/2(※小規模事業者:2/3)
※賃上げを実施する場合1,000万円に引き上げ
②専門家活用枠
補助事業期間に経営資源を譲り渡す又は譲り受ける者
補助上限額:600~800万円、補助率:1/3~2/3(買い手)1/2~2/3(売り手)
※詳細は公募要領にてご確認ください
③PMI推進枠
M&Aに伴いPMIを行う譲り受ける者
補助上限額:PMI専門家活用150万円、事業統合投資800~1,000万円
補助率:PMI専門家活用1/2、事業統合投資1/2~2/3
※詳細は公募要領にてご確認ください
④廃業・再チャレンジ枠
事業承継やM&Aに伴って廃業等をする者
補助上限額: 150万円、補助率: 1/2~2/3
※事業承継促進枠、専門家活用枠、PMI推進枠と併用申請する場合は、それぞれの補助率に従い補助上限に加算されます。

●事業実施期間
短くなる傾向があるため注意が必要
※詳細は公募要領にてご確認ください

●利用可能な経費
①事業承継促進枠
設備費、産業財産権等、関連経費、謝金、旅費、外注費、委託費 等
②専門家活用枠
謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料、保険料
③PMI推進枠
設備費、外注費、委託費等
④廃業・再チャレンジ枠
廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、原状回復費、リースの解約費、移転・移設費用(併用申請の場合のみ)

●活用イメージ
・印刷会社が経営交代を機に本補助金を活用し、新たに導入した新技術で業務効率化とコスト削減を実現
・食品製造会社が、事業承継を行う際に本補助金を活用し、専門家派遣の支援を受け新たな製造ラインを開発

●申請のポイント
事業承継・M&A補助金は、中小企業が事業承継やM&Aを通じて経営革新を行う際に、経費の一部を補助する制度です。この補助金は、特に後継者不在や経営者の高齢化といった課題に直面している企業にとって、事業の継続や発展を支援する重要な手段となります。
また今回からはM&A後の経営統合(PMI)に係る専門家費用等も対象になります。PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)とは、当初計画したM&A後の統合効果を最大化するために必要な統合プロセスのことです。代表の高橋は、中小PMI支援マスターの認証を受けておりPMI支援サポートも可能です。気軽にご相談ください。

2-7.省力化投資補助金

●概要
省力化投資補助金は、中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするため、IoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品の導入を支援する制度です。例えば、清掃ロボットや自動券売機等です。これによって中小企業等の付加価値額や生産性向上を図り、賃上げにつながることを目的としています。
事業再構築補助金の基金から残った予算を割り当てた補助金として2024年から始まりましたが、これまでの制度ではすでに登録されている機械設備のみが対象で使い勝手の面で難がありました。令和7年からは、個別発注形式の省力化投資支援を新設し運用改善が図られる予定になっています。

●対象者
人手不足に悩み省力化投資を図る中小企業等

●補助上限・補助率
①カタログ注文型
登録されている機械設備の中から中小企業等が選択し導入する
補助上限
従業員数5⼈以下:200万円(300万円)
従業員数6〜20⼈:500万円(750万円)
従業員数21⼈以上:1,000万円(1,500万円)
※カッコ内は大幅賃上げを行う場合
補助率:1/2
②一般型
個別の事業内容等に合わせた設備導入やシステム構築を行う
補助上限
従業員数5⼈以下:750万円(1,000万円)
従業員数6〜20⼈:1,500万円(2,000万円)
従業員数21~50人以上:3,000万円(4,000万円)
従業員数51~100人以上:5,000万円(6,500万円)
従業員数100人以上:8,000万円(1億円)
※カッコ内は大幅賃上げを行う場合
補助率:1/2(※小規模・再生2/3、最低賃金引上げ特例2/3)
※1,500万円までは1/2もしくは2/3、1,500万円を超える部分は1/3

●事業実施期間
交付決定⽇から12か⽉以内
※令和6年はご自身のタイミングで随時申請可能でしたが、令和7年は個別対応の一般型が創設されるため、現時点ではどうなるか不明です。詳細は公募要領にてご確認ください。

●利用可能な経費
①カタログ注文型
登録されている機械設備から選択
清掃ロボット、自動券売機、スチームコンベクション、無人配送車等
②一般型
カスタマイズ機器、ソフト+ハード等

●活用イメージ
・小売業×清掃ロボット
・宿泊業×スチームコンベクション
・飲食サービス×券売機
・製造業×無人配送車

●申請のポイント
省力化投資補助金は、中小企業がIoTやロボットなどの導入を通じて生産性を向上させるための支援制度です。この補助金は、特に人手不足の解消を目的としており、企業が新たな技術を導入する際の費用の一部を補助してもらえます。令和7年には新たに「一般型」が設けられ、従来のカタログ注文型に加えて、より柔軟な対応が可能となります。一般型では、企業が必要とする設備をカスタマイズして導入できるため、より多様なニーズに応えようという国の意思を感じます。
但し、ものづくり補助金との棲み分け等について現時点では不明な点も多く、今後の公式情報で確認する必要があります。申請者は人手不足に悩んでいることを証明する必要があることから、今のうちから現状認識をして申請に備えましょう。

3.補助金採択のための基本戦略

3-1.事業計画書の作成

補助金申請の基本となるのは計画性がありロジカルな事業計画書を作成することです。まさに採択を勝ち取るための鍵です。補助金の申請で重要視されるポイントは現状分析、課題認識、事業目的、実現可能性、シナジーそして中長期的な視野です。
事業計画書を作成するときには、特に次の点を意識しましょう。
・現状と問題点の分析
・問題解決に向けた目標とゴール
・実行計画の詳細
・経済性と資金調達の確実性
・期間內の達成可能性と実施体制

3-2.中小企業診断士の活用

自分たちでは設計しにくい部分や裏付けが重要な部分については、中小企業診断士の力を借りることが有効です。中小企業診断士の支援を受けることで、より質の高い計画書を作成できます。中小企業診断士は経営コンサルタント唯一の国家資格で、事業計画書の作成や戦略を組み立てることに長けています。相談の準備として、事前にビジョン、問題点、実行計画を明確にしておくと、より具体的に相談できます。補助金を申請する際は、ぜひ当社を含め中小企業診断士にご相談ください。

3-3.早めの準備

補助金の申請は時間がかかります。申請後も採択、そして実施可能になるまで数か月を要すことから1年計画で実行することをおすすめします。また募集開始直後は多くの応募が集中するため、締切に間に合わせるための余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。特に新設の補助金は初回の締切が短くなる傾向にあるため、申請を検討している場合は早めの準備が不可欠です。

4.補助金に関するオンライン無料相談

ビズシアでは、経験豊富な中小企業診断士が相談に乗ります。初回面談は【無料】にて対応させていただきます。面談時間は60分です。事前に資料を確認し、お客様の希望を伺いながら、今後の進め方について相談させていただきます。オンライン相談のためエリアは全国各地どこからでも大丈夫です。ご支援先も全国各地におりますのでご安心ください。
相談内容に基づき、今後の方向性についてご提案させていただきます。ご希望に合わせて、お見積書を作成いたしますので、じっくりご検討ください。 もちろん面談・提案・見積書を作成したからといって、無理に契約を迫ることはございません。
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補助金は返済不要の制度で中小企業が成長するための大きなチャンスです。しかし、採択のためにはしっかりとした準備と計画が必要不可欠です。採択されてからも適切な対応ができないと、補助額が縮小される、取り消される等の事例が発生しています。賢く令和7年度の補助金を活用し、一緒に新たな挑戦や事業の成長を目指しましょう。

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